メモ書き

「もう、何もかもおしまいだと思ってたのにね」
 苦笑めいた表情で、真姫はそっと鍵盤にふれる。
「……ねえ、にこ先輩」
 あえて『先輩』と、そう呼んで続ける。
「あたしたち、何処まで行けるかしら?」
 わずかに震えたその声を、ハン、とにこは鼻で笑い飛ばす。
「決まってるじゃない、そんなの」
 揺らがない瞳で、前を見据えて。
「——私たちが行きたいと思った場所」
 それが何処だとしても、どれだけ遠くてもよ、と。


いやなんかそんなの読みたいなあ、と思っただけです。