これをあえて

誰かさんが起きている時間帯に投げる勇気。
……そんな勇気はいらねー!



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『はいはいもう23時ですよ!』


 新作まだー、なんてろくでもないことを言ってる誰かさんに、そうやってお決まりのフレーズを投げつけてやる。うん、まあ、言っても言わなくても、どうせ時間になったらあっさり寝るんだろうけど、そこは様式美、というやつで、一応ね?
「さて、と……」
 そしてこちらもお約束……になってしまうんだかどうなのか。ネタなんてこれっぽっちも考えていないけど、真っ白なテキストファイルを開いて、思いつきが降ってくるのをのんびり待つ。
 それは間違っても「義務」じゃない。
 やらなきゃいけないことだなんて思ったことはないし、やらなかったところで誰も困らない。……困らない、よね? まだーだのなんだの言う人もいるけど、それはそれとして。そもそも自分をネタにするっていう時点で、普通はどうかしてる。いや、実際どうかしてるんだけど。
 だけど。
「書けって言われたから書いてるだけだし」
 時々、そんな言い訳めいた独り言が口をつく。じゃあ書かなくていいって言われたらどうするんだろうね、まったく……っと、こんなこと考えてると、それこそろくでもないことになる。余計なことはおいといて、合言葉は「実在の人物とは関係ありません」、と……




『もう何が何だかわからないよ』


 適当な呟きと共に、今夜もその「何だかわからない」ものを放り出す。
 もちろん、誰かさんのいない時間帯に。
 だって、さすがに、ねえ?
 これでもいろんなものを削ってるんです、リアルタイムなんてとんでもない。
 せめて翌朝、


『またこんなの書きやがって!』


 そんな反応に、だって書けって言ったじゃないか、そうお約束で返すだけで勘弁してください。これでも一応楽しんでるんですってば、本当に。
 それじゃ、お休みなさい。また明日。



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ギャー!