『NOTTE 誓約の十字架』(弓束しげる)

NOTTE-誓約の十字架- (ルルル文庫)

NOTTE-誓約の十字架- (ルルル文庫)

完結、ということは既に告知されていて、なんとまあ駆け足な……と思っていたのですが、蓋を開けてみれば非常に綺麗にまとまっている印象。
もうちょっと、二人にはいろいろな体験をした上で、協会の在り方と向き合っていって欲しかった気もしますが……


前回が前回だっただけに、中盤まではもう甘い甘い。
背表紙の「純真エクソシスト」の文字通り、なんとまあイリスがもう見ていてこいつめ!こいつめ!、という。
これはもうこのままいってしまうのか、と思いきや、終盤はわりとずどーんの展開。
わりとえげつない、と同時、展開としてはうまいこと持ってきたな、が半々。
当事者の二人は結構ギリギリのところまで追い詰められたわけで、そんなこと言ってちゃいけないわけですが……


それでも、ラストはこの物語らしく前向きに。
二人の関係はさておき、理想だけで現実を変えていけるのか、はこれからも常に突きつけられる命題になっていくはずですが、選んだ道を歩んでいって欲しい、そう素直に願うばかりです。