ほどほどのテイスト
本来このくらいが僕の基本形、のような。
あー、まあこれでも少々意図的に何か増量させてはいますが、こんなもんかなあ、という。
ほのぼの。
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「本だけ読んで過ごせればいいんだけどなあ」
んー、と大きくのびをしつつ先輩が言う。お昼からこっち、ぶっ続けでひたすら読んでいたので、さすがにお疲れらしい。時計を見ればもう5時で、季節柄まだまだ暗くはならないけれど、立派に夕方といっていい時間だ。まあそうですね、と答えつつ僕も手にした本を閉じる。
「今日は結構読めた気がする」
「そりゃ5時間もあればそうでしょう」
「いやさ、一人だったら途中で休憩とか挟むと思うんだけど、目の前で黙々と読んでるヤツがいると、負けらんないとかそんな感じが」
「なんの勝負なんですか……」
気持ちはわからなくもないけど、張り合うっていうよりあれかな、安心する、みたいな。まだ読んでてもいいんだ、そんなふうに感じる……んだけど、それだけなら別に図書館に行けばいいような。
「新刊どさどさ持ち込むわけにもいかないしなあ」
「読みたいけど持ってない本とか、山ほどあるじゃないですか」
「読んだら欲しくなるじゃん」
なるほど。それはよくわかります。手元に置いておきたい本って、増える一方なんですよね……どっかに落ちてないもんでしょうか、四次元ポケット。
「で、どうする? この辺でお開き?」
「さすがにもうおなかいっぱいですよ」
「ああ、食べてたもんね。むしゃむしゃ」
「どこの文学少女ですかそれ」
冗談はともかく、続き物の頭から尻尾まで、なんて例外でもない限り、一度に取り込めるお話の量にはやっぱり限度がある。何事もほどほどに、はわりと真理だと思う。
「でも、アウトプットなしにそれだけ読めるのは正直うらやましいんだけど」
「僕は読めたってだけで満足しちゃうので。いいか悪いかはわかんないですけどね」
「別に何かのために読むとか、そんなんじゃなくてもいいと思うよ」
僕のも自分で整理したいだけだし、と先輩は笑う。
でもですね、その感想を見て誰かが読みたいって思うなら、やっぱりそれは先輩のためだけのものじゃないと思いますよ、絶対。
「それはどうも。だけどさ、あれやめたらもっと読めるんだよなあ、きっと」
「え、ダメですよそれ。みんな困りますって」
「みんなって誰さ」
「いや、それは……」
不特定多数の誰かのことを聞かれたって、そんなの答えようもない。仕方ないから、少なくとも僕は困ります、と無難な回答を返してみる。
「ふうん、そっか」
それを聞いた先輩は、思案顔でそう呟いてから、
「じゃ、まあ当面続けようかな」
なんだか妙に嬉しそうにそう言った。
うーん、なんだろこれ、お礼とか言うとこ、なの?
「いいからいいから、気にしないの。でさ、お開きはお開きでいいとして、晩飯どうする?」
「どうするって、先輩自分で料理しないじゃないですか」
「細かいことはいいじゃんかよー、どっか食べにいこう、そうしよう!」
妙にノリノリである。なんだろうなあ、まったく。まあ、僕の方もあては特になかったんですけど。
ともあれ、ほっとくと忘れてたとかでご飯抜いちゃう人が珍しく乗り気だし、それじゃお供させてもらいますね。よろしくお願いします、先輩。
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外野は置いといてというか。
あれらを組み込んで、マジメにお話を回そうと思うと、たぶんこの二人の関係も、また違うものになるんだろうなー、と漠然と考え中。
つーかその場合はちゃんとおんなのこと絡ませてあげたいですね!
ただしキャッキャウフフするのは先輩で。
もう一人の誰かさんは、いろいろとぼんやりしているので、色恋にはまだまだ遠く、もっと初歩の「ともだち」とかそんな関連性からお話を始めるのだと思います。
いや書くんだか書かないんだか誰か書いてくれるんだか知りませんけど。