僕の先輩がこんなに×××なわけがないんだかあるんだか
先に謝っておきます。
正直やりすぎた。
死にたい。
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「……は?」
時々よくわからないことを口走る先輩だけど、今日のそれはいつも以上に意味のわからないそれで、思わず真顔で聞き返してしまった。えーと? あなた今なんておっしゃいまして?
「だから、かわいい僕の書き方を教えてほしいんだって」
ええー。何言ってるのこの人ー。
「先輩、正気ですか?」
「なんだとう!」
いやなんだとうじゃないでしょう。むしろこっちの台詞だよ!
「自分でも書いてみたんだけどさ、なんかしっくりこなくて。ほら」
「書いたんですか!?」
なんて物好きな。お前もな、ってわかってますよそれくらい。はいはいどうせ僕は物好きの奇特な変人ですよーだ。
それはともかく、そうか、ついに先輩も書いちゃったのか……拝見させていただきます。
「あれ? 視点はDの方じゃないんですね」
「だからしっくりこなかったって言ってるじゃん。……で、どう?」
「もう、そんなに急かさなくても……ちょっと待ってくださいよ」
ふんふんふん、と目を通していって、話のラスト。
——うあ。
先輩、その、これ、
「あ、やっぱりちょっとひどかったかな、その台詞。自分でもどうかと思ったんだけど、まずそれ思いついちゃって」
「いやそっちじゃなくてですね……ああ、そっちもひどいんですけどね!?」
『先輩はニヤニヤしながら手を伸ばし、僕の髪をくしゃくしゃにした。』
その、一文が。
なんだかとてもぞくっときてしまったのだ。
いやいやおかしい、おかしいよこれ! え、なにどういうことなの!?
「あの台詞じゃなくて……? へえ、そうなんだ。こっちの方か……」
ちょ、なんですか先輩! そのどこからどう見ても悪役みたいな笑い方っていうか近い近い近いですよ!!
「っ……!」
ぞくり、とした。
先輩の手が、僕の頭を、こう、くしゃっと。
「ややややめてくださいよ! もう、冗談もほどほどにですね!?」
「ふうん。冗談だって思うんだ」
うわ絶対この人面白がってるよ全部わざとだよ! しっかりしろ自分! あくまに負けるな!
「そんな顔して何言っても無駄なんですからねっ、全部分かってるんですから」
「なんだ、そうなのか。残念」
ちぇっ、と舌打ちをした先輩の手が、僕の頭から離れていく。
ああもう、なんなんですかまったく。こんなことする人がかわいいとかそんなわけあるもんか! このきちく! きちでる!!
「うう、先輩のばか……」
「はいはい、ばかで結構。で、どうやったらかわい」
「うるさいうるさい! 知るかそんなの!」
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こんなひどいやり取りを公衆の面前でぶちかまし、
「ちょっとほら、あの二人ったらまた……」
「あらやだ、こんなのただのスキンシップなんですわよ。この間なんて——」
「まあ!」
「まあ!」
「「まあ!!」」
みたいなこと……にある意味なってるTLがこわい。とてもこわい。