『恋のドレスと陽のあたる階段 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー』(青木祐子)
恋のドレスと陽のあたる階段 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー (ヴィクトリアン・ローズ・テーラーシリーズ) (コバルト文庫)
- 作者: 青木祐子,あき
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/04/01
- メディア: 文庫
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まだまだどこか硬い表情ながら、表紙の帯下なんかも、ね。
シャーリーがんばるの巻。
表ボス(裏ボスは引き続きあの人です……と言っていいかどうか?)のお父様相手に、もう引く気も譲る気も、駆け引きさえ抜きでのやりとりは、真っ直ぐすぎるきらいのある彼らしいそれ。
パメラじゃないですが、やはり彼しかいないんでしょうね。
王子様ともヒーローとも違うけれど、オンリーワンの存在として。
一方で、お母様や妹様にはぎったんぎったんにされている辺りは、まあなんとも。
この踏み込みっぷりは家族だなあと思いつつも、我らがアントニーのように、それでなくとも直截な物言いをしてくれる相手がいる、というのは、あれはあれでシャーリーも周囲から愛されている、んでしょう。きっと。
アントニーくんのあれはまた違うという話もありますが。
シャーリー相手じゃなかったら、わりと即座に暇を言い渡されるレベルですが、彼はやっぱりそのままで居て欲しいです。
アントニーはアントニーだからな!
新キャラ(でもない)執事にお株を奪われそうだけどがんばって!
そしてクリス。
少しずつ何かが変わり始めているのは間違いなくて、でもそれは一体どういう変化なのか。
強くなった気もするし、弱くなった気もする。
でも確かに、彼女はもう「選んでいる」ように見えます。
拒絶でも迎合でもない道を歩き出した彼女が、近いうちに訪れるであろう「ドレスをまとった時」、どんな表情を見せてくれるのか。
物語としては、当然ながら段々と二人に収束していくわけですが、そんな中でパメラの話も、とあとがきにあったのは嬉しいところ。
ポジション的にも、キャラクタ的にも、この物語の中では一番好きなんですよね、彼女。
イアン先生とどうこうしてほしい、ではなく、フェードアウトとは違う、彼女の選択とその先に続く道を見届けたい、と。
余談。
恒例あとがき1ページイラストは、どうして毎回こう素晴らしいのでしょう!