『アンチリテラルの数秘術師』(兎月山羊)
- 作者: 兎月山羊,笹森トモエ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2011/02/10
- メディア: 文庫
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逆転劇、というのはやはりいいものです。
この「設定」に関しては、もっとマニアックなネタを使って、いけるとこまでいっちゃえ、なんて少々の物足りなさも。
蘊蓄で埋め尽くされても、あるいは説明なしにガツンといっても、はまる人ははまる……んじゃないかと思うんですが、まあ、誰得ですよね……
とはいえ、切り口としていろいろ出来る(それこそ「いかにも」な能力を、もっともらしく説明する等々)のは間違いないところ、その辺悪役のはっちゃけ方に期待。
お話としては、やはり確率0%からの逆転劇。
目新しいわけではなく、ある意味お約束ではあるのですが、この手のお話ではやはりこれがないと。
能力モノは有利不利の食い合わせと逆転劇につきます……と言ったら言い過ぎですが。
そしてもう一つ、雪名・誠一・秋月さんの関係性。
それぞれが、知り得ないところ(秋月さんだけは、誠一の出自までは知っているとして、けれど親父さんの最後までは知らないはず)で繋がっている。
この先改めてどうこう、と発展する関係性ではないとしても、こういう絆がベースにある、というのはじんわりとくるものがあります。
異能バトルは異能バトルとして、何より大事なお話の中に生きてる人物たちがいる、それがすとんと納得出来る、そんな気が何故かしました。