『姫婚オールアバウト』(野梨原花南)

姫婚オールアバウト (コバルト文庫)

姫婚オールアバウト (コバルト文庫)

あなたも『婚活オールアバウト』だと思いましたか?YES/NO
……はさておき。
最初にタイトルを打つときは、やっぱり「ひめ→変換、こんかつ→変換、一文字消去」だったというのもさておき。
いつも通り(あえて褒め言葉としてそう述べます)、おんなは度胸、なお話。
たとえお姫様であろうとなんだろうと、あるいはむしろ、お姫様だからこそ、守られているだけのヒロインなんて、と。
野梨原作品のお嬢様方は、いつだって握り拳を振り上げている気がします。
欲しいものくらい、自分で手に入れてみせるわ、そう主張するように。


今作もそれは変わらず。
一度全てを失ったお姫様は、けれど自分の力で立ち上がり、歩き出し、そして居場所を取り戻します。
折れることを知っている強さはいつも眩しいものですが、今回はラストのあっけらかんとしたあの選択がお見事。
ちょっと意表を突かれて、でもそうだよなあ、と清々しく笑えました。
ああ、お幸せに。
それ以上言うこともなし、言う必要もなし。