『あやかし江戸物語 妖狼たちにご用心!』(伊藤たつき)

化妖と呼ばれる、人と獣の姿を持つものが同居する世界の、パラレル江戸物語。
時代考証がー、とか、そういうのは置いといて、主役たる元気娘と、お約束のように気づいてもらえないヒーローくんたちのバタバタを楽しむが吉。
なかなか良い意味で序章を裏切ってくれました。
二人ともそうくるかというか、それでいいのか!、という。
特にいえみっちゃん(そう呼ぶことにした)はいろいろ間違えてると思う!
ドSとかそういう問題じゃないよねそれ。
というか彼には信津名さんがいるから、むしろそのコンビでいいのではないでしょうか。
あの主従はわりとツボです。がんばれ信津名さん。


一方の二海さんは、どちらか現時点で、と聞かれたら彼なんですが、今一つウリというか押しがないのも事実。
インパクト的には空三・一陸の方がキャラが濃いのでやや負け気味。
もっとボロを出してくると良い感じかなと思います。


そんなこんなの二人のせいで、やはり元気娘のみこが光って見えるのもまた事実。
真のお役目としての自覚はちょっと薄いんじゃないの、とも思いますが、その辺深刻になるのは話が進んでから、ということにして。
煙助とのやりとりなんかは、非常にノリノリで好きです。


悪役さんが、どうにもちょっとがんばりが足りない感じなので、もうちょいそこはなんとかならないかしらん……なのですが、主要キャラの面々が、その辺りの弱さをぶっとばしてくれてるんじゃないかな、などと。