『カレイドメイズ 半熟姫のあかるい国家計画』（湖山真）

カレイドメイズ 半熟姫のあかるい国家計画 (角川スニーカー文庫)

耳鳴坂妖異日誌の人の新シリーズです。
耳鳴坂妖異日誌の人の新シリーズです。
大事なことなので二回言いました。いいんです好きだから。
さておき。
遺跡からお姫様を掘り出しちゃって、子作りを迫られる話です。
……というのが、たぶんサブタイトルにも沿ったお話の筋になるのですが、多分これではいろいろと伝わりきらないんじゃないのかなあ、と思います。
まずもって、サブタイトルが正しいのかどうか、というところから話が始まりそうな気もします。
ここはメインをどうとらえるか、でもあり、人それぞれなところでもあるので、あまり深くは突っ込みませんが。
ともあれ、そんな外枠の部分はおいといて。
熱血型（あくまで比較的、ですが）主人公、ボケ担当の空気読まない友人、やや天然気味のお姫様、元気娘系サブヒロイン（……ヒロインでいいんですよね彼女）、とメインどころは外れのないキャラを置いて、脇にもバカ親父やら人をくったようないい性格した教師やら、こちらも手堅い配置。
とくればノリよく楽しいのもある種必然で。
特に、ことごとく引っかき回してくれるレナートスとネーフェの存在感は素敵。
レナートスなんかは、あの表裏のなさも含めて。

その辺りのドタバタが楽しい関係上、終盤起こる事件が、あれだけやっといてわりとさっくり収束してしまったりする辺りはちょっと引っかかりますが、これはそういうものとして楽しむべき、な作品。
国家計画とかうっちゃって、もっと自由に物語が走り出さないかなあ、というナナメな期待もしつつ、純粋に先が「楽しみ」です。