『やおろず 弐 でこぼこな恋、始めました。』(古戸マチコ)

やおろず弐 でこぼこな恋、始めました。 (レガロシリーズ)

やおろず弐 でこぼこな恋、始めました。 (レガロシリーズ)

神様が見える少女と、同居人たる神々の織り成すドタバタが楽しい、シリーズ第二作。
サブタイトルにある通り、今回は恋愛がメインです。
……一部ちゃうんちゃうん、という気もしますがメインです。
あとがきにもそう書いてある。大丈夫。
……とはいえ、「でこぼこ」とあるように、どうすればいいの!?、という恋が多数あるのはご愛敬。
ドタバタあってのやおろず、です。観念して楽しみましょう。
初っ端から電子さんが飛ばしてくれましたが、第二章が圧巻。
カッパ巻きはないでしょ澄香さん。
加えていろいろ間違えてる厠王子が笑いに拍車をかけます。
彼は本当にいろいろと残念だ……たとえ子供バージョンでも……
個人的に一番どっかんどっかんだったのは第三章。
出稼ぎ関羽さんとかもはや意味不明です。
後日談見るに、それなりにワガハイとの恋がうまくいっているのがまたなんとも。
かつてないカップリングだと思います。
そしてラストを飾る、第五章 澄香の段、そして番外編。
あれだけ楽しかったこれまでがあるからこそ、切なく苦しいあの場面があり、そしてそれでもやっぱりこの物語は「やおろず」である、と力強く宣言するような結末。
笑って泣いて、幸せになれる——本当、素敵な物語です。


表紙折り返しには、セーフティーバント、という言葉もありますが、どっこい、ランナー溜めてからは間違いなく綺麗なクリーンヒットです。
そこはホームランじゃないのかって?
何をおっしゃる、だからいいのです、これは。絶対に。