『レディ・マリアーヌの秘密』(宇津田晴)
- 作者: 宇津田晴,高星麻子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/12/25
- メディア: 文庫
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破れた恋を糧に、可憐な乙女を目指すも——そううまくはいかないわけで。
そんなこんなで始まる、ある意味男前なお嬢様のドタバタ騒動。
と、この辺の設定でだいたいおわかりいただけるかと思いますが、難しく考えないで楽しんじゃってね!、という作品。
実際これが楽しいわけです。
メインのお相手は、最初に関係性を間違えてしまったせいで、この先苦労しそうなロベルトさんになるのでしょうが、その他の面々もなかなか。
ちょっと間の抜けた熱血直情のルースの隊長コールは、そこはかとなくどこぞの騎士団の兄貴呼ばわりを思い出させてくれます。
純真なだけにマリアーヌの女装(ではまったくないんですが、多分こう表現せざるを……)にどぎまぎしてしまう辺りは、もういっそ微笑ましく。
ゴンブリダッターなアルベルトも、わりと好きな感じの空回りっぷりを今後見せてくれそうです。
まあ、個人的にはザ・執事、という感じのカイルが素敵すぎましたが。
ラストのあれはいいよねえ……
彼女が彼女である限り、男性陣はそれぞれ皆苦労しそうですが、この関係性がどう変化していくのか。
ドタバタっぷりも含めて、先が文字通りに「楽しみ」です。