『迷走×プラネット』(神尾アルミ)

迷走×プラネット (一迅社文庫アイリス (か-02-01))

迷走×プラネット (一迅社文庫アイリス (か-02-01))

にゃんごろう!(何
などと読んでない人にはまったく分からないであろうつかみから。
それはそれとして、なんとなく表紙のタイトルロゴフォントからも伝わってくるように、わりとテンション高めで、お祭りみたいなお話。
背表紙を見ても、

地球救出ハイテンション・コメディ

とか書いてあります。
……だいたい合ってる?
さてさて。
奇をてらわず端的に言ってしまうなら、楽しい、の一言。
ルカルタの勢いに引っ張られるように駆け抜ける日常(一部除く)は、特別なことなんてないのに、何もかもむやみやたらと輝いて見えます。
終盤の、あの祭りの後にも似た一抹の寂しさも、知ったことかと吹き飛ばすようなラストも気持ちよく。
お祭り、というのは、その終わりの寂しさがあるからこそ楽しいもの。
……ではあるのだけれど、それこそ気が済むまで、ずっと続くそれがあってもいいじゃない、と。
今日という日は終わっても、明日はすぐにやってくる。
楽しいは正義!

……で、続きがないのがとても残念なところです。
最後までわりと抑えめだった色恋話も、ルカルタが軸なのは当然として、個人的には七森くんがすっころばないかなあと思ったり思わなかったり。
ああいうポジションのキャラが転ぶのは、とてもとても好き。