『空色パンデミック Short Stories』(本田誠)

空色パンデミック Short Stories (ファミ通文庫)

空色パンデミック Short Stories (ファミ通文庫)

巻を重ねるごとにどんどんのっぴきならない状況に向かっていく本編ですが、さて短編集はどんな形でまとめたのかしらん、と思っていたら。
こうくるか、という内容でした。
空想病、その設定を逆手にとれば、こんな遊び方だって出来るのだ、そんな茶目っ気に満ちた一冊。
いや、正直ここまで堂々と元ネタが分かる形でしかけてくるとは、とうなりました。
またそれが、微妙なひねり具合やブレンド加減で、分かる人にはそこが面白く、分からなくとも雰囲気だけで十二分に笑える仕立て。
そんなお遊びもしつつ、青井の絡ませ方や、森崎の順応具合、木村さんの地味においしいポジション、ときっちりシリーズとしての魅せ方も踏まえていて、文字通りお見事。
ずるいなあ、とさえ感じてしまうとまで言ったら言い過ぎか、ともあれうなりました。

個人的には、こうなっちゃうんだ、というMGSのいじりっぷりがツボ。
スニーキングミッションなんて知ったことか!