『竜と勇者と可愛げのない私』(志村一矢)

竜と勇者と可愛げのない私 (電撃文庫)

竜と勇者と可愛げのない私 (電撃文庫)

「勝てるか勝てないかじゃないんです。やるしかないんです」

ある意味で志村一矢らしからぬ、と言ってしまっていいかどうか、初の異世界ファンタジーは、分かりやすさ・とっつきやすさを重視したような印象。
実力はあっても平民故に認められない魔法使いと、ぱっと見はヘタレだけどその理由と天賦の才をもった勇者が主人公、という辺りで、過去作を読んでる人には違いが分かってもらえるかと。
いい意味でうじうじと悩んだり甘かったりするキャラクタを主軸に据えるドラマ、でこれまで通してきただけに、ある種「ライトな」ノリをどう料理していくのか、にどうしても注目してしまいます。


とはいえ、それぞれに「理由」を持っているキャラクタたちが主人公である以上、クライマックスではその辺をうまく見せてくれるんじゃないかなあ、と期待したいところ。
掴みとしては可もなく不可もなく(全体的な軽さは意図したものと感じました)、まずは続くかどうかが勝負。


余談。
なんでミランダはイラストがないのん?