『神曲奏界ポリフォニカ ピュアリー・ホワイト』(高殿円)

神曲奏界ポリフォニカ ピュアリー・ホワイト (GA文庫)

神曲奏界ポリフォニカ ピュアリー・ホワイト (GA文庫)

 何かをしたくても、出来ないことはある。
 だとしたら、出来るのに何もしないことは、ただの怠慢ではないのか――

ポリ白。
帯ではイケメン師匠がフィーチャーされているせいで、ワンクッションおくのかと思いきや、ばっちり新章――最終章の開幕でした。
ちょっと間の抜けた空気も健在ですが、未来へ向けての選択が始まり、いつまでも今のままではいられないことに否応なく気づかされるスノウ。
踏み出した足は、けれど垣間見た過去をなぞるように、時代という大きな流れに飲み込まれていく。
人間と精霊の関係性、神曲楽士という在り方。
彼ら彼女らは、それにどう答えるのか。


そして何より、迫る精霊島の危機は、この物語がシリーズ唯一「過去」を描いた作品であるが故に、終幕が近いことをひしひしと感じさせます。
他シリーズで描かれているように、精霊島が現在に存在しないのは確定事項。
定められた崩壊への片道切符を手に進む彼女たちが、それでも未来へと続く何かを残してくれることを願います。


さて、堅苦しいのはそれくらいにして。
新キャラ・師匠。
前々からいろいろと思わせぶりで、年齢不詳で、イケメン。
もうボケキャラはいらない!、とでもいわんばかり。
ここでようやく登場したということは、ストーリーの核に関わってくるんでしょうが、精霊側はほぼ満席、ポジション的にはどこになるのか。
精霊を断つ刀も含め、反則級の戦闘力も所持しているようなので、このままだと炎の人の分が悪そうですが……
もう一人の新キャラである彼女は……あまり明るい未来が待っていないような気もしますが、果たして。


最終章ということで、いろいろ盛り上がってきました。
一気に……とはいかないようですが、最後まで駆け抜けてほしいところです。
あと、是非ピリカラ桃まんのイラストを!(ないです