『嘘つきは姫君のはじまり 千年の恋人』(松田志乃ぶ)

帯に「堂々完結」の文字が躍る通り、遂にフィナーレ。
ここに至るまで、いろいろとあったのを思うと感慨深いところ。


次郎君・宮子に関しては、ある意味既に答えの出ている二人、ということもあり、わりと安心して見ていられる(相変わらず宮子は無茶するし、伝染して次郎君もけっこう綱渡りですが)展開。
いや、もちろん艱難辛苦を乗り越えて、なわけで、喜んで祝福したい二人なのは間違いなく。
ただ、やはり読みながら気になっていたのは脇役陣、特に真幸、そして有子様。
もう一つの身分差カップル、有子様のいじらしさは果たして……と思っていたら、短編集に持ち越しとなりました。
確かにこの一冊に収めるとなると、足の出るエピソードにはなりそうなのですが。
ここはもう、その分をがっつりやってくれると期待したい次第。


もう一つ、終始「いい脇役」であった蛍の宮。
彼のお相手、となると五節&おでこ姫。
今回も抜群にいい味出しておりました。
ホント君たち、いちいち出番が微笑ましいよね……
特におでこ姫は、ものまねシーンが絶対キリッとした感じに違いないのがまた。
こちらも短編集では元気な姿を見せてくれるはず。
巻末に相撲マンガとかでもいいです(それはない


全体を見れば、綺麗な大団円、に尽きる主役二人の物語、でした。
その分、こぼれ落ちた脇役陣のあれこれも多々あるのですが、そこは明言されている短編集に期待を。
むしろ、独立したエピソードになった分だけ、きちっと見せてくれるのではないかなあ、と。


ところで、この完結フェアのパスワードって、もしかして既刊の新帯にしか書いてないの……?