またしても嵐

本当に勘弁してください、という感じですが明日は新潟です。
……なんでこんな状況に。



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「なんかまた雨らしいね」


 わざとらしい口調の先輩を、はいはいとあしらう。かまってるとつけあがりますからね、この人。
 にしても。
 ここのところ、どこかに出かけようとすると、決まって天気予報が雨なのは何故なんでしょう。ついでに言えば、雨なんて表現じゃ生ぬるい、無駄に大荒れだったりするのは。


「日頃の行いじゃない?」
「だったら先輩が遠出したらどうなるんですか」
「晴れる」


 言い切りましたよ。誰より日頃の行いを悔い改めなきゃいけない人が……


「なにさ。なんか文句でも?」
「ありますが言っても無駄なので言いません」


 あ、悔しそうな顔してる。ふふん。


「でもさ、なんか今回はいつも以上にえらいことになってるみたいだけど」
「ですね……さすがにちょっと考えました」


 いつにもまして、笑えないレベルの嵐。むしろ、これちゃんとつけるのかな、と悩むくらいの勢いだったりして。


「ま、どうせ止めても行くんでしょ?」
「外せない用事ですから」


 だよね、そうだよね、と。しょうがないやつだ、という顔をして先輩が苦笑する。


「せいぜい気をつけて行ってきなよ。お土産は勘弁してあげよう」
「頼まれても買ってくるつもりなかったですけど?」
「言うと思ってた」
「それはどうも」


 締めに、ばーか、なんて言い合ってみたりする。……なんだろうね、このやりとり。わりと果てしなく無意味。


「じゃ、そういうことで」
「はいよ。土産話だけ楽しみにしてるから」


 そんな面白おかしいこともないと思いますけど、一応覚えておきますよ。
 それじゃ、行ってきます。



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がーいーやー。


「ちょっと出かけるだけでこれなんだから! もう!」
「行ってきます、っていうのがね……」
「結局どっちも天然」
「うーん、普通だと思うんだけど」
「うんうん、気にしないで。アナタはそのままでいいのよ?」
「知らなくていいことって、どうしてこう多いんでしょう」
「それが面白い」
「……わたしが変なのかなあ。お、おかしくないよね? 普通だよね?」


だいたい全員おかしい。