このネタは前にやった気がする
だからネタ切れなんだって。
ホントに新キャラ(謎)投入によるてこ入れとか図りたい……
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「だから床に直積みはやめた方がいいって、いつも言ってるじゃないですか」
見渡す限り——いや、実際は乱立する本の山で見渡すもないんだけど——の惨状。どうしてこうなるまで放っておけるかなあ……
「だってしょうがないじゃん。気づいたら増えてるんだもん」
はいはい、買ってるのは自分でしょうが。ついたところでどうにもならないんだけど、思わず溜息。はあ、やれやれ。
——というわけで。
今日は先輩の部屋にお邪魔しています。ちょっと散らかってきたから片付けて、という、過去の罪状からまったく信用出来ない言葉は、やっぱり今回も例によって例のごとくで、玄関開けたら2分どころかその場でブックタワーにご対面、でした。
「もう何かの陰謀としか思えないんだけど」
「だから! 百歩譲って陰謀だとしても、首謀者は先輩自身ですよ!」
「えー」
えー、じゃない。
うん、まあ、この無計画に取りあえず買っちゃう、っていう行動は、あまりひとのこと言えないんだけど、せめて箱ででも積んでおけば、ここまでひどいことにはならない。一週間に一回は崩れただのなんだの聞くけど、どう考えたって自分のせい以外のなにものでもないよね、絶対。片付けられない人でもないと思うんだけどなあ。
「ほら、そっちからお願いしますよ……って何読んでるんですか」
「いや、ずっと探してたのが出てきてさ。これは今読まないとまたどっか行っちゃうから」
「そうならないように整理してるんでしょうが!」
「まあまあ、堅いこと言わないでさ。僕の部屋なんだからいいじゃん」
「こっちはあんたに頼まれて来てるんだよ!」
まったく……ってあ、こんなところに先週の新刊。なんでもう山の下にあるのさ……
「あの先輩、これ」
「ん? ああ、それまだしばらく読まないから適当でいいよ」
「適当ってまた……」
「いいからいいから。そうだ、もう読んだ? まだなら先に読んでもいいけど?」
片付ける気ゼロですよこの人。だったらなんで僕を呼んだんですか。
「一人でやってもつまんないし」
「二人だったらやってすらいないですよね!?」
わかりましたもう知りません! いいですよ、なら僕だって読み散らかしちゃいますもんね! ふーんだ!
…………
「いやあ、お疲れさま」
「……お疲れっていうか、途中から読んでただけですけどね」
「まあいいじゃん。楽しかったよね?」
と、こうして、今日も先輩の部屋は片付かない。
いいんですけどね、別に。いつものことですし?
「じゃ、また明日」
「そうですね、また明日……」
決めた。今度こそもう、誘われても絶対手伝わないぞ! 絶対にだ!
そんなことを思いつつ、ばたんと閉めたドアを背後にずんずん足を進めていると、宅配業者の制服を着たお兄さんとすれちがう。ゴロゴロと押されていくカートに乗った段ボール、そこに貼ってあった配送元のシールに、とっても見覚えがあったような気がしたけど、あえて立ち止まらない。
……立ち止まらないんだってば。
「いつもどうもー」
「いえいえー」
たとえそんなやりとりが聞こえてきても!
「あ、まだいた。明日出る新刊が届いたんだけどさ、読むー?」
だからあいつは!
「……はい、読みます」
一応断っておくと、これは別にミイラ取りがなんたら、という話でもなんでもなく、いかに先輩が本を片付けられないのかという話であって、そしてそれと僕が新刊を早く読みたい気持ちとはなんら一切の関係はなくですね? ええと?
つまり平たく言うと、お察し下さい、というやつなんです。わかるかな、わかってくれるといいな、わかれ!、みたいな。
「僕はこれからかな」
「ずるいですよ先輩、今度の新刊と言えばそれじゃないですか!」
「あのね、これ僕が買った本なんだけど」
「今日の手伝いに対する正当な報酬を要求します」
「途中から読んでただけだったと思うんだけど」
「それはそれ、これはこれ」
「なにおう!」
そんな僕らの日常は、わりとどうしようもなくて、わりと、楽しい。
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「また夜遅く部屋から出てきたんですってよ!」
「まあ!」
「まあ!」
※それはもういい