『悪魔のような花婿 薔薇の横恋慕』(松田志乃ぶ)

困ったら××、というのはたいへん斬新な感じもしますが、当該場面を読むと、むしろそうするしかないとさえ思える不思議。
さすがのウィリアム様です。
ただちゅっちゅしてるだけじゃないんだよ! もちろんそれもしてるけど!


相変わらずのあははうふふのベタアマ夫婦と、ちょっぴり愉快なお城の面々は健在。
ほんともう、いちいちヒーヒッヒとか好きすぎて困る。
絵面を考えると相当に笑えてクリティカルヒットすぎます。
加えて四海家一同たいがいおかしいので、ほぼストッパーなしの展開は楽しすぎます。
コミカルな方面はだいたいアクセルふかしっぱなし。


一方で、お話としてはわりとシリアスな方面で進行。
王妃の手先は誰なのか、を呼び水に語られるそれぞれの背負うもの。
そして種明かしに至るまでの盛り上げ方と言ったら!
まさかあの人をああいうふうに使うとはなあ……
それでいて、ぱかっと蓋を開けるとサディスティック魔法使い、なんて素敵ワードが飛び出してきたりもして、何というかこのシリーズの絶好調っぷりを物語っているような。


まあ、それでもやっぱりこの話のキモは主役の二人。
いついかなる場所においてもぶれない旦那様のその態度と、振り回されつつもそれに応える奥方様の初々しい様子には、ごちそうさまだけどまだまだおかわりがほしい気になります。
次はさらにお話としてがっつりしてきそうですが、そこでも変わらない二人が見られることを願いつつ。
バルバロッサは大活躍の予感がする(無根拠