『デート・ア・ライブ 十香デッドエンド』（橘公司）

デート・ア・ライブ 十香デッドエンド (富士見ファンタジア文庫)

どっかで見たようなお名前の方がいるのに一切触れられなかったのは意図的なものとして、この先どうなのかなと思ったり思わなかったり。
積極的に絡めるようなことはなさそうですが……と、それはともかく。

序盤こそ普通ですが、あらすじにもある通り、「世界を救う策」がいろいろと身も蓋もない関係で、やっぱりおかしい展開がようこそこんにちは。
お前ら絶対マジメにやってないだろ、と上奏するヤツはいなかったのかいなかったんですねそうですね。

もちろんヒロインは問題の精霊さんだったわけですが、対抗馬の戦闘お嬢さんのお名前が「鳶一」。

最近近くて遠い何処かの世界で犠牲になった人を思い出します。
こちらの彼女は、多少ずれてはいるものの、今のところ残念候補ではなさそうなので、がんばっていただきたいところ。
お話の展開上、精霊たる十香の方がはるかに分はいいのですが、それはそれとして。

世界を殺す災厄、少女の姿をまとったそれ——精霊との対話に、一足飛びに「恋」を持ち出すトンデモ作戦については、少し落ち着こうぜという気もしますが、この辺ナチュラルに押し通してしまう辺りはこの人の味だよなあ、きっと。
そんなアホなということに対して、くどくど言い訳も説明もなく（裏はいろいろと仄めかされていますが）かかってこいやーのノリは好きです。
次回予告見るに、精霊さん増えるみたいなんですけどどうするんですか的な部分も含めて。
ハーレムかハーレムなのか何人までだ。

現状ちょっと引っかかるのは、妹様の存在。
ドS系いじり倒しはネタとして楽しいのですが、いくら「あの体質」があるからといって、正直士道の今の運用方法はあまりにひどい。
守る気ゼロ、結果オーライですらない。
別シリーズのカルマを見るに、なんだかんだありつつも謎の感動的にいい話に収めてくれるので、そのうちどこかで帳尻あわせはしてくれるとは思っているので、そこまでもにょもにょもしませんが。
お兄ちゃんそれじゃつらいぜ……？