『夢見る宝石と銀色の恋人 ダイヤモンド・スカイ』(本宮ことは)

夢見る宝石と銀色の恋人 ダイヤモンド・スカイ (ルルル文庫)

夢見る宝石と銀色の恋人 ダイヤモンド・スカイ (ルルル文庫)

一巻から思わせぶりにちらつかせていた「設定」がようやく開示。
とは言っても、それで何か印象が変わったかと聞かれると……どうなんでしょう。
最初から気がついていたから、かもしれませんが、とそれはともかく。
世界の広がりも一つあったのですが、もう一つ内向きの広がりとして、乗員各員の顔がはっきり見えるようになったかな、という展開でした。


お話の構成上、どうしてもディアとエルドに諸々集中しがちなところがあったと思うのですが、今回は全員にそれぞれ見せ場あり。
主役に集中していく展開なのかな、と考えていたので、ちょっと意外でもありました。
が、こうしてあらためてそれぞれの表情が見えてくると、これを放っておくのはもったいない!、という気になります。


「設定」を活かしたそれぞれの個性(つまりアレがソレだからコレという)、さらにその個性を踏まえた上での人間関係。
フーファとカルのやりとり、サザンラディヤーの立ち位置、いずれもうまいことやってるなぁ、そんな印象。
今後まだまだ山あり谷ありの予感、ディア・エルドのカップリング以外にも、いろいろと見所は出てきそうです。


メインお二人さんの方はといえば、ディアはまあ相変わらずの天然モードで。
そして野郎は天然お嬢様に弱いと相場は決まっています。
ええ昔からそのはずです、お話の上では。
ということで、エルドさんわりとまっしぐら。
でも苦労するだろうなあというのは目に見えていて、読者はその苦労する様を見たがる生き物なので、うん、まあ、頑張って下さい。
最終的には応援してるよ!


さて、次はこっちも人気あるんじゃないかと思うレオニデスさんのターンになりそう。
勝ち負け問わずよさを出してくれる人なんじゃなかろうかと思っているので、どちらに転んでも活躍に期待です。