『真夏の日の夢』(静月遠火)

真夏の日の夢 (メディアワークス文庫)

真夏の日の夢 (メディアワークス文庫)

表紙と帯のコピーから、ちょっとしんみりする話なのかと思っていると……
まず目次で首をかしげることになります。
はて、これはどこかで見たフレーズ。
そして訝しげなままページをめくり——ふいた。
うんOK、つかみとしては文句なしだよ!、といいたいべったべたの剛速球がいきなり待ち構えていました。
どうなってんの。


とまあ、のっけからやらかしてくれる作品ですが、いざ幕が上がればちょっと間の抜けた演劇学生さんたちによるほのぼのストーリー。
ゆるーい感じで序盤は展開していきます。
それでも、後から思えばいろいろと既に始まっていて、それが最初に目に見えるのは、あらすじにもある一人のメンバの失踪。
そこからなんとなく不穏な空気が漂い始めるわけですが……


ここから先はどうもいろいろと説明しづらいので、どうぞお手にとって、と言う他ない展開。
気の早い人は、もっと序盤でピンときたりするかと思いますが、ご安心を。
二の矢三の矢、大盤振る舞いで終盤があなたをお待ちしています。
だよねー、から、ほう、までよりどりみどり、ともすればのラストも、あっけからんと爽やかに、何となく丸め込まれてしまったような気分になれます。


だから多分、この言葉を贈るのがやはり相応しい、のかも。
しょうがねぇなぁ、という苦笑いと共に。
まったく、なんということでしょう。