『秋津楓はアたらない!』(西村悠)

秋津楓はアたらない! (一迅社文庫)

秋津楓はアたらない! (一迅社文庫)

だから西村悠に求めているのは——というのが一種定型句になりそうでならない今日この頃ですが、今回はもしかしてバランス取れてきたんじゃ、そんな印象も。


短編連作の旗手になってもらいたい、とデビュー作から思っているのですが、なかなか最近は書いていただけません。
つまり世間的に短編連作自体が……
そして長編となると、どうも据わりが悪い作品が多かったのですが、これはうまく滑り込んできた、という気がします。


やはり、エピソードを重ねることで何かを見せる人、なのだと思います。
一見ばかばかしいやりとりと、それぞれの背負ったもの。
ストレートではありますが、どんでんの人ではなく、押さえた展開でそこに至るやり方こそが魅力。
キャラを前面に打ち出すと、どうしてもそこが噛み合わないことが多いのですが、いつかどちらにとっても幸せな着地点が見つかればいいなと、そう思います。
……なんというかこう、この一冊というより西村悠語りですが。
なんだかんだと言っても好きなのです。
タイトル最近微妙だとずっと思ってるけど!
今回も正直最後までなんで?と思ってたけど!