『ケモノガリ 3』(東出祐一郎)
- 作者: 東出祐一郎,品川宏樹
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/02/18
- メディア: 文庫
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純粋な意味でロキと死闘を繰り広げる最初の一人にして、ひょっとすると最後の一人。
そして、前座はわくわく動物ランド・血溜まり編。
わんわんパニックことイヌガミ以外は、もう本当に文字通り前座でした。
口絵の時点で、このごてごてっぷりはどう考えてもロキには届かないだろうなあ、と思っていたら案の定。
ロキ君の戦闘能力は随時向上中の模様。
そして、それをも上回る魔人・アストライア。
彼をライバルとして、物語は新たなフェイズに入っていくのでしょう。
正直あんまり強すぎるので、今のところ差し違えでもしないと勝ちが見えませんが……
今回は前回のように大義があるわけでもなく、潰しに行ったら民間人が巻き込まれてたよ展開のせいか、序盤は今一つテンポに乗れず。
謎解きもどっちかといえば力業だよね、という……
なんとなく、インディ的なノリだったとは思うのですが。
わくわく動物ランドだけでもよかったような気もしつつ。
そんな動物ランドでは、ドラマも一身に背負ったイヌガミの独壇場。
通常兵装相手であれば、余程の技量をもった相手でない限り、無敵に近いとしか言いようもなく。
今回誕生した殺人鬼との再会は、果たしていつになるのか、そのとき彼は戦えるのか。
そして「彼女」は今後どんな形で物語と関わってくるのか。
ひたすらに戦い続けるだけでは、やや単調となるところに、もう一つの流れを取り込んだストーリー。
まだもう一段、二段とギアを上げる仕掛けを打ってくる、そんな予感もしています。