『死神姫の再婚 始まりの乙女と終わりの教師』(小野上明夜)

満願成就、満願成就である。
しみじみとトレイスさんの気持ちを味わえる一冊でした。
ええ、それはもう。
あの「暴君」が、こんなどこに出しても恥ずかしい(!)嫁バカになっちゃって、あまつさえ……
いや、はや。


今回は結構いろいろと切羽詰まっていて、余裕もない中、背中だけではなくその身すべてを預けられる場所をようやく見つけた、そんな印象。
中盤はもっとひどいケースも想定していただけに、この結末にはほっとしたのが正直なところ。
一方で、『先生』以下、次の火種は本格的に燃えさかってくる気配もありますが。


そして、そんな主役二人もいろいろあったわけですが、個人的には坊ちゃまとノーラの方も。
ああ、なんかもういじらしいというか君たちホント初々しいね舞い上がっちゃってるね!
アレなお目付役はいるんだけど、これなら大丈夫。
仮にあの二号三号が完成しても……いやしたら困るか、あれは。
アリシアのああいうところはすごいというか、小野上さんの発想の勝利というか。
イラストもあいまって、不意を突かれて爆笑。
三人もいたら、そんなお屋敷暮らせないよね……