『○×△ベース 1 ねっとりぐちゃぐちゃセルロイド』(月本一)

作者はいったいどれだけの情熱をこめて、「ね」「ぐ」「せ」について考えていたのだろうか。
確かにこれは何でもありの略称である、がしかし、それにしたってこの頑張りは認められて良いのではないか。
ねえそこの君、ぐっじょぶと言ってあげたくならないか世界に向けて!
……いや無理だなこれ、ホントこの情熱は認められてもよいのではないでしょうか。
野球はそんなもんじゃねぇよ、というご意見もあるかとは思います。
がしかし、細けぇことはいいんだよ!
俺は好きだ!
そう断言してしまいたい作品でした。
出来るクセにひねちゃった主人公が、ささえられてのせられて、再び舞台上に上がる。
分かりやすい筋立て?それがいいんじゃないですか。
ノリと勢いで突っ走る作品ですが、実にど真ん中ストレート。
こういうのはにこにこ出来ます、本当に。


キャラクタは奇をてらった感もありますが、中村は愛すべきバカとして、非常に好きなタイプ。
そうするしかないから、そうした。
他に理由はない。
バカだなあと笑い、そして拍手を送りたいと思います。
ある意味ヒロインそっちのけで、その無駄な存在感もまたよきかな。


試合の結末は、むしろ逆でもありだったんじゃないかと思うのですが、先を見据えて、でもあるのでしょう。
ものすごく綺麗に終わっている、という印象もありますが、さてここからどう繋げてくるのか。
非常に楽しみです。