『陰陽カフェへようこそ』(片瀬由良)

陰陽カフェへようこそ (ルルル文庫)

陰陽カフェへようこそ (ルルル文庫)

式鬼神遣いのお嬢様と、その式鬼神たちが織り成す、軽すぎず重すぎず、なお話。
ある意味割り切ったような、非常に「わかりやすい」ポジションの面々なので、余計なことをあまり考えずに楽しめます。
つまりわんこかわいいなわんこ。
もひとりくらい、鞘当てになりそうなお相手も欲しいのですが、その辺はゆくゆく出てくるだろう、ということで。
まあ、ともあれわんここと狼の狛朧くんです。
お前は俺の獲物だー、とか言いながら、基本尻に敷かれていたり、子猫ちゃんであるところの沙那に不器用にやさしかったり、まあまああなた、という。
OK、だがそれでいい。
その他の面々としては、あれで龍の上弦・下弦くんや柳煉さんもなかなか可愛いですが、ここはやはりビジュアル的に渋いおじさまであるところの鈍艶さんを。
ああいう一歩引いてどっしりポジションの人、好きなんですよね。
茶目っ気を発揮するようなサイドストーリーがあると嬉しいのですが、さてはて。


本編自体は、シリーズ開始の顔見せをしつつ、「鴉」という引きを残しての幕。
その鴉関連エピソードが、もうちょい見せ方あったんじゃないかしらん、とも思いますが、シリーズ前提なのでそこは先を待って、になるでしょうか。
各キャラポジションがはっきりしているので、その辺を魅せた寄り道話を短くとも織り込んでいってくれたらなあ、というのが個人的希望。