『捧げよ、永久に続く祈り 幻獣降臨譚』(本宮ことは)
- 作者: 本宮ことは,池上紗京
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/12/25
- メディア: 文庫
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シェナンのターン……と言ってしまいたいところですが、それ以上に今回の主題は「変化」かなあ、と。
今回登場した皆、その誰もがかつてとは違った顔をしていて。
大活躍だったシェナンは言わずもがなとして、アリアも、マルチェも、登場こそしなかったものの、シェリカもまた。
挫折も絶望も、すべてはそれをどう糧とするか次第、立ち止まったとしても、もう一度歩き出すという決断さえ出来るのなら、これほどに人は変われる。
同時に、「変わってしまう」こともある、というのを見せたのは、これまで延々お仕置きを引き延ばされてきたディクスくん。
散々やきもきさせてくれた上に、今回の言動がいちいち全部あれでしたが、無事予告通りの鉄拳制裁(ただし相手は……)をいただいて、さてここからどうなるのか。
彼もまた、再び「変わる」ことが出来るのか。
残エピソードに組み込まれるかどうかは分かりませんが、出来れば彼のこの先は見てみたいところ。
あとがき通りであれば、次で最終巻。
アリアに課せられた使命は、パジャンの示した理想と現実を踏まえた上で何処に向かうのか。
そしてそんな大きな枠組みとは別に、もう一つの軸であるそれぞれの恋の行方や如何に。
アリアに関しては、もうこれはシェナンじゃねーのと思わなくもないですが、序盤からディクスくんわりと好きなので、せめてこう、改心して活躍するシーンを……