『メガロ・オーファン 《遺世界》のものがたり 2 家に帰らない子供たち』(若木未生)

シリーズ第二巻。
三人の交錯がほんの少しだけ進みつつも、メインはムサシの過去の方とも。
ヨシツネ・ネネと比べると「軽い」キャラとして描かれているムサシですが、キリヤを見初めたシーンでは二人同様のナイーヴさが見て取れます。
もっとも、召喚された時点ではかなり今の造形と似通っている印象を受けますが……
この辺り、今はもういない4人目の登場人物、ヨリトモとの出会い/別れがどう影響してくるのか。
あとはやはりキリヤ。
主役三人が、文字通りに「家に帰らない子供たち」である中で、彼女一人が「大人」。
何を想い、そこに居るのか。果たして。


サブタイトルは何度見てもいい。
家に帰らない子供たち。
まさしく「子供」たちの物語であるし、まだ家は「帰るべき場所」ではない。
だからこそ、「帰れない」ではなくて「帰らない」。
壊れもののような彼ら彼女らに、相応しい言葉。