『レンタルマギカ 争乱の魔法使いたち』(三田誠)

いよいよ幕を開ける大魔術決闘。
協会 VS 螺旋なる蛇——という構図になるわけですが、もちろんアストラルが、いつきがただの仕切りだけに留まるわけもなく。
どう介入するのか/対抗するのか、と思っていたらそうきたか、の展開。
いかにもいつきらしい、これまでの積み上げがあってこそのあらがい方、でした。


蓋を開けてから、になってしまいますが、この序盤の思わせぶりな部分が実ににくい。
ここは素直にうまいなあ、と。
そしてこの選択自体は、ある意味では当然ともいえるそれ。
冒頭の勢力図を見ると、明らかに現アストラルの戦力は見劣りする一方、いつきを支持するであろう勢力は、気がつけばどんどんと増えているわけで。
いつきがいつきであるが故に、手にした「力」。
それが果たしてどこまで通用するか。
未だ二大陣営の優位は揺るがないように見えますが(特にトップの二人は人外の領域)、ここからの立ち回りが腕の見せ所。


キャラクタ的には、協会、螺旋なる蛇ともようやくメンツが揃った今回。
協会からはクセのありそうな二人が出てきて、ラストはなかなか面白いことに。
あの能力が果たしてどういうものか、加えて伊庭いつき、という存在をそこまでマークしている、というのもまた興味深いところ。
螺旋なる蛇の方は、大きく目新しいものはありませんが、いよいよ本領発揮のバトルを見せてくれることになるわけで、誰と誰が噛み合うのか、合わないのか、そこらを楽しみにしつつ。


そして、問題の第三陣営。
まだまだ本気で動いているとは見えませんが、いつきとは違うそのやり口で、どうこの場を引っかき回してくるのか。
どの局面で、誰が誰と戦うのかも含めて、動向が一番気になる勢力かもしれません。


でもって。
個人的に気になるのはやっぱり影崎さん。
あっさり退場するとは思っていませんが、見ていていちいち心臓に悪いので、どうか安心させて下さい。
本当に。


余談。
表紙のオルトくんが顔色悪すぎです。大丈夫ですか。
協会はニグレド、螺旋なる蛇はメルキオーレ、各陣営そういうメンバーを入れないといけない決まりでもあるんでしょうか。
健康第一!