『バカとテストと召喚獣 9』(井上堅二)

バカとテストと召喚獣9 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣9 (ファミ通文庫)

なんだかすごく久しぶりに(そうでもない?)マジメに試召戦争だなあ、などとのんきに思っていたら……やってくれました。
お見事。
いよいよヒロインの風格を本気出して発揮してきた姫路さんこそいるものの、ギャグテイストだった序盤。
そこからシームレスにあの熱い展開に持ち込む辺りはもう何と言っていいやら。
やっぱりやってることはバカだけど、バカはバカなりに、卑屈になるのではなく開き直って前へ進む姿はいっそ清々しく。
正直、この勝ち方だと何のための試召戦争だと思わなくもないものの、それこそ知ったことかと突っ走るであろうF組の面々を考えると、これはやはり「あり」の戦い方。
雄二はともかく、満点のアキちゃんとか出されても困るし。


イラスト的には、ことごとく秀吉がヒロインポジションでしたが(美波も一枚あったけど)、立ち位置的には引き続き姫路さん猛攻中。
というか美波にももうちょいこう、アクションかけさせてあげて!、と言いたくなるほど。
まあ、いろいろとイベント続きだった面もあるので、この先反動で美波のターンもくると期待しておきます。
……くるよね?
個人的には、狼狽える工藤さん、というなかなか珍しいものが見られたのはなんとなくツボ。
徐々にキャラも増えてきた中、こういうちょっと違った面を見せてくれるキャラがいるのも、また嬉しいところ。
なお、前回彗星のように現れたあの人は、今回もワンシーンながらとてもアレでアレだったので、そのままでいて下さい。