『鏡の国の眠り姫』(山本瑤)

鏡の国の眠り姫 (鏡の国シリーズ) (コバルト文庫)

鏡の国の眠り姫 (鏡の国シリーズ) (コバルト文庫)

たいっっっっへん長らくお待たせしました、という。
他に言うことないんで終わらせてもいいですか……はさすがに冗談として。
もう君ら付き合っちゃいなよ!(既婚です)、というお二人さんが、紆余曲折の末にようやく。
なんというか、いい意味で笑ってしまいました。
本当に遠回りしたね、と。
あれだけこんがらがっていて結び目が解ける瞬間、それはもうあっさりとしたもので、ほんの一言、ただ一言。
想いを繋げる、というのはこんなにも簡単で——そして、こじれた先にあるのはどうしようもなくえぐいもので。


ロゼライン、そしてエディス。
少なからず傷ついた人たちがいます。
彼ら彼女らの想いは、決して間違っていたわけではなく、ただ巡り合わせの前にかみ合わなかっただけ。
その結末がこれ、なのですから、人の想いのなんと難しいこと。
もちろん、このままでおしまい、にされてしまったりはしないと思います。
ちらりほらりと兆しの見える、新しい小さな想いたちと同様、誰もが前に進む未来があればいいと、願います。
じゃないと、これは、つらい。


そして余談ながら。
今回のカバー、是非帯を外してみて下さい。
帯があるとまったく見えない、素敵なイラストがそこにあります。
なんて、可愛い!